なぜアシタカはカヤからもらったお守りをサンにあげたのか?
■お守り カヤはアシタカに玉の小刀(ネックレス)を渡すときにこう言いますよね。 「お守りするよう息を吹きこめました」 このことから、玉の小刀はまず「お守り」としての意味があると考えることが出来ます。玉の小刀を渡すシーンは非常に緊迫した場面です。破滅的なことが起こる予感に満ちているのに、アシタカはサンの居場所が分からない。当然、不安で心配なはずです。その状況で「お守り」渡す(正確には山犬に託す)という行為の意味は明らかですよね。 アシタカはどこにいるかわからないサンに対して「無事でいてくれ」というメッセージを送っているわけです。 ■サンへの思い 同じく玉の小刀を渡すシーンでカヤはこうも言っています。 「いつもいつもカヤは兄さまを思っています」 玉の小刀は「思い」の象徴でもあるわけです。 このことから「カヤがアシタカを思うように、アシタカはサンを思っている」という意味を見出すことができます。簡単に言えばアシタカがサンに「好きだ」と告白しているわけです。 ただ、ここはちょっと苦い解釈も出来ます。「アシタカがカヤをふって、サンに告白した」ようにも見えてしまうわけです。「カヤがかわいそうじゃないか」と。 確かにかわいそう。でも、これは作者が意図的に「かわいそう」に描いた、あえて苦味を入れたと僕は考えています。理由は別項目に書きます。 ■故郷との別れ カヤから玉の小刀を渡されたアシタカは、カヤに言います。 「私はいつもカヤを思おう」 ここでアシタカはカヤへの思いを告げているわけですが、これは一方で「アシタカの決意の弱さ」も描いています。アシタカの村への未練から生まれたセリフと解釈することも出来るからです。 たとえば、もし、この時点で「二度と村へは戻らない」と決めていたなら、アシタカは小刀を受け取らないんじゃないかな。でも、実際には受け取っているし、「カヤを思う」とも言っている。そして、このシーンがあることで以後、小刀はアシタカと彼の故郷をつなぐアイテムにもなっていきます。 簡単に言い換えると「アシタカは呪いが解けた後、カヤの待つ村に戻るつもりなのだ。だから、小刀を肌身離さず持っているのだ」とも解釈できるわけです。 そんな大事なアイテムを、アシタカは山犬を通じてサンに渡します。 ここにはアシタカの決意を見出すことが出来ます。 「もう村には戻らない」 アシタカは小刀を手放すことで、故郷も手放したのです。 ■ラストシーン お気づきかもしれませんが、「サンへの思い」「故郷との別れ」で書いたことは、両方ともラストシーンに繋がっています。 ラストでサンはアシタカに「アシタカは好きだ。でも、人間を許すことは出来ない」と告げます。これはアシタカの告白に対するサンの回答です。 「私もあなたを好きだけど一緒にはなれない」 これに対し、アシタカはサンに「サンは森で、私はタタラ場で暮らす。共に生きよう」と告げ、サンはそれを受け入れます。 「タタラ場で暮らす」ということは、同時に故郷を捨てるということも意味しています。 つまり、アシタカはカヤに象徴される故郷を捨て、結ばれることのない運命にあるサンと共に生きる決意をするわけです。 そして、アシタカもサンもカヤも、それぞれが思う人と一緒になることが出来ない。 そう、実は「もののけ姫」は悲しい恋物語でもあるのです。 だから、カヤがかわいそうなのは意図的なものだし、サンとアシタカも同じようにかわいそうに描いていると思います。 ていうか、「近くにいるのに、両思いなのに、結ばれることはない」アシタカとサンは、ある意味、カヤよりもかわいそうかもしれませんね。アシタカ許嫁のこからもらった小刀サンにあげてしまうのなぜなん
— ▼変異のあいばくん (@aibaan_dorapo) 2018年10月26日
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